家族葬の流れ~一般葬との違いはあるのか?
2018年12月4日
近年、「家族葬」は非常に注目を浴びています。
その施行割合は地方や業者によって大きく異なりますが、もはや「マイナーな葬儀のかたち」とはいえません。
ただ、家族葬に限らず、「葬儀」というもの自体が、多くの人にとって初めてのものです。
そのため、「どのような流れをとるのかが分からない」という人もいるでしょう。
ここでは、一般的な家族葬の流れについて取り上げ、そのポイントを紹介していきます。
家族葬の特徴について
一般の葬儀とは異なり、家族葬の場合は家族や親族だけで葬儀を行います。
まれに、故人と親しかった人などを招くこともありますが、一般葬に比べると小さなご葬儀になるのが基本です。
このため、家族葬は、費用が抑えられるだけでなく、葬儀にかかる時間自体もとても短くなります。
焼香にかかる時間も短くなり、通夜振る舞いやお別れなども時間がかけられないのが一般的です。
家族葬の基本の流れについて
家族葬の一般的な基本の流れについて紹介します。
- 故人が亡くなられる
現在は病院で亡くなられることが多いかと思われます。
その場合、病院から葬儀会社に連絡をしてください。
今はどこの葬儀会社も、365日24時間対応しており、すぐに寝台車で駆けつけてくれます。 - 故人をお連れする
病院には長くいることはできません。そのため、故人をお連れする必要があります。
多くの場合は自宅にお連れすることになりますが、自宅に安置するのが難しい場合などは、直接葬儀会場の方にお連れすることもあります。
ここまでの流れは、スムーズに行えるようにある程度考えておくとよいでしょう。 - 納棺~通夜
納棺後、お通夜をします。
なお通夜は神式や仏式のものではあり、本来はキリスト教ではこれを行いません。
しかし現在、日本で行われるキリスト教の葬儀では、通夜のようなかたちをとるものもあります。 - 通夜振る舞い
通夜振る舞いが行われます。
家族葬の場合は大々的に行わず、控え室で簡単に食事をとることだけに留まるケースもあります。 - 葬式・告別式
明けて翌日、葬式と告別式が行われます。 - 出棺~火葬
告別式が終わったら、出棺、そして火葬が行われます。 - 繰り上げ初七日法要
初七日法要は、その名前の通り、本来は七日経ってから行われるものです。
しかし現在は、繰り上げ初七日法要として、火葬の当日に行うこともあります。 - 繰り上げ精進落とし
精進落としも、忌明けではなくこのタイミングで行われることが多くなっています。
また、「精進落とし」とはしていますが、「お疲れ様、という意味を込めて行われる食事会」としての意味も強くなっています。 - 解散
解散します。
流れから見る「家族葬」
このような流れを見ていると、家族葬も一般の葬儀とほとんど変わらないことが分かります。
実際、通夜を行い、葬式・告別式を行い、初七日法要や精進落としも繰り上げて行うという場合、一般葬と家族葬の流れに大きな違いは見られません。
どちらかといえば、宗教の違いや葬儀会社、あるいは地域などによる違いの方が目立ってきます。
ただ、一つひとつの工程は、一般葬のときよりもずっとスレンダーです。
もちろん読経にはある程度の長さはありますが、「一般の参列者が全員焼香をするまで終わらない」「一般の参列者にも、棺の中に花を入れてもらう」などの過程がカットされるため、葬儀にかかる時間はぐっと短くなります(ここでは仏教をとりあげましたが、ほかの宗教全般にいえることです)。
参列者がいないということで、基本的には受付も設けません。
香典返しのことに頭を悩ませたり、一般参列者に挨拶に伺ったりする必要もなく、すべての工程で時間短縮となります。
家族葬と一日葬、そして直葬
「家族葬と一般葬」には、大きな違いは見られません。
しかし、家族葬としばしば並んで語られることになる「一日葬」と「直葬」の場合は、大きく様相が異なります。
一日葬の場合、通夜がカットされ、翌日の葬式・告別式のみを行うことになります。
このため、通夜振る舞いも行いません。
直葬の場合はもっと簡素です。これは通夜を行わないだけでなく、葬式・告別式も行いません。
「火葬式」とも呼ばれるもので、火葬をして終わりとなります。
また、このタイプのお見送りの場合、初七日法要や精進落とし、また宗教者を招くこと自体もしないケースが多く、時間も費用も大幅に圧縮されます。
このように、「小さな葬儀」「一般葬とは異なる葬儀」であっても、それぞれの流れには違いがみられます。
特に一日葬と直葬は、「家族葬」とも「一般葬」とも異なるため、注意が必要です。
逆にいえば、「できるだけシンプルに見送ってほしい」「家族に病気を抱えている人がいるので、できるだけ短時間で葬儀を行いたい」と考えるのであれば、一般的な家族葬よりも一日葬や直葬を選んだ方がよい、ということになります。
ご家族や葬儀会社のスタッフと打ち合わせしつつ、どのかたちがよいかを決めていきたいものですね。
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