家族葬における「供花」の扱い方~送る際の注意点
2018年12月11日
「供花」というのは、葬儀に出されるお花のうちの一つです。
これは、家族葬の場合はどのように扱われるべきものなのでしょうか?
供花とは何か
供花とは、葬儀に出されるお花であり、「きょうか」「くげ」と呼びます。かつて、葬儀の目印ともなっていた「花輪」も、広い意味では供花に分類されます。
しかし小規模な葬儀がよく行われるようになったこと、葬儀を大々的に告知することを好まない人も多くなったことから、花輪を用いられることは現在では少なくなっています。
また、バスケット型の供花もありますが、これは仏式や神式で用いられることは多くありません。主にキリスト教の葬儀で用いられます。
ちなみに、神式の場合は「榊」がとても重要なものとして扱われますが、供花もよく出されます。
現在、特段の注釈なく「(葬儀の)供花」と言われた場合は、スタンド型もしくは高さのあるカゴに入ったものを指すのが一般的です。
スタンドに1段もしくは2段に花が活けられているものであり、名前や関係(「親族一同」など)を書いた木札がよく添えられます。
かつては2基で1対になったものが多く用いられていましたが、現在では1基だけで出すこともできるようになっています。
供花に選ばれる花は、宗教によって多少異なります。
ただ、白い百合や白い菊、カーネーションなどが比較的選ばれやすく、白~穏やかな色の花で構成されるのが基本です。
また、故人が特に愛した花がある場合は、多少派手な色のものであっても、それが供花に組み込まれることもあります。
この供花は、葬儀会場を彩るものであるとともに、葬儀の後は仏壇(仏教の場合)などに生ける花としても用いられます。
供花は、「遺族が手配し費用も負担し、親族の名前などで出すもの(特に「孫一同」などのような場合)」「親族や関わりのあった人が費用を負担して出すもの(「●●高校同級生一同」などのような場合)」「葬儀に行けない人が、弔意を示すために送るもの」などがあります。
また、ここでは「供花」を取り上げていますが、「供物」もほぼ同じ扱いをされます。
供花全般の注意点
供花とは弔意を表すためのものです。
しかし家族葬であれ一般葬であれ、勝手に供花を送ることは避けるべきです。
まず、現在は供花の手配を葬儀会社が一括して行うことが多いという理由が挙げられます。
この方が統一感も出ますし、葬儀会社としてもご遺族としても管理しやすいのです。
そのため、「自分が懇意にしている花屋」から勝手に取り寄せて送ってしまうと、葬儀会社やご遺族を困惑させてしまうこともあります。
「亡くなった故人が、特にこの花屋を愛していた」などのような事情がある場合も、まずは葬儀会社に連絡し、その旨を言い添えましょう。
もう1つの問題は、スペースの問題です。
これは家族葬と特に深く関わってくる理由です。
現在は小規模な葬儀が多く、いただいた大振りな供花を飾るスペースがないという問題も出てきてしまいがちです。
供花(供物も同じです)を送りたいと考える場合は、まずは「供花を送ってもよいのか」ということを確認する必要があります。
ただ、この「確認するべき相手」にも留意したいものです。
ご遺族のご意向を踏まえなければならないということから、ついご遺族に確認したくなる人も多いことでしょう。
しかしご遺族は、失意や悲しみ、あるいは混乱のなかにあります。また、非常に多忙です。
このため、一人ひとりの連絡に対応していただくのはかなりの負担を強いることに繋がります。
供花のことを問い合わせたいのであれば、必ず葬儀会社の方に連絡しましょう。
家族葬と供花
家族葬の場合は、さらに注意が必要です。
家族葬では、供花自体を断っている可能性も高くなるからです。
「周りからお気遣いをいただくのが申し訳ない」「周りに金銭の負担を強いるのがつらい」という理由から、家族葬を選ぶご家庭も多くあります。
また、もっと切実な問題として、「精神的あるいは金銭的に余裕がない。供花をいただくと、お返しが必要になる」ということで、供花を辞退するご家庭もあります。
家族葬では、香典返しなどのお返しを用意しないことも多く、これによって費用と手間、時間的負担を軽減している場合もあります。
供花を勝手に送るということは、この「軽減」を台無しにしてしまうことに他なりません。
ただ、「家族葬だからこそ、自分が参列できないからこそ、供花というかたちで弔意を示したい」と考える人もいるでしょう。
このときは、ほかの葬儀同様、必ず葬儀会社に連絡をしてご遺族のご意向を聞いてください。
その際に、「供花はご辞退されている」と言われたのならば、いさぎよく諦めましょう。
また、訃報を受けた際に、
・供花辞退の旨が記されている
・そもそも会場の住所などの記載がない
という場合は、供花も供物も弔電も送るべきではないと解釈できます。
このような場合も、当然送るべきではありません。
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