家族葬と食事~家族葬の場合、食事はどうする?
2019年2月23日
「まだ葬儀に一度も参列した経験がない」という人にとってはイメージがしにくい話ですが、実は「葬儀と食事」には深い関係があります。
仏式で、かつもっとも一般的なスケジュールで進んでいく葬儀の場合、以下のポイントで食事をとることになります。
・通夜振る舞い
・翌日(告別式の日)の朝食
・昼食もしくは火葬場でとる軽食
・繰り上げ初七日法要を終わった後の精進落とし
それぞれについて見ていきましょう。
家族葬と通夜振る舞い
通夜振る舞いとは、通夜に参列してくれた人に対して振る舞う食事をいいます。
寿司おけやオードブルが振る舞われるのが一般的で、お酒も出されます。
参列者として参列した場合で、かつご家族からのご案内があれば、少しでも口をつけるのがマナーです。
家族葬の場合は、通夜振る舞いの主な対象となる「参列者」がいません。
ただ、家族葬でも通夜振る舞いの料理を振る舞うことはあります。
これは、故人に功徳を積ませるという意味もありますが、夕食代わりのようにして食べられることもあります。
通夜だけでなく葬儀全般にいえることですが、葬儀の最中は「一般的な夕食・昼食の時間」に食事をとるのが難しい場合もあります。
また、「夜を徹して起きている」「恐らく眠れないと思う」という場合に備えて、少し食事をとることもあります。
ただ、地域差もありますし、「家族葬なので特に必要がない」と考えるのであればカットすることは可能です。
通夜振る舞いで採用される料理に関しては、家族や地域ごとによって違いが見られます。肉類や魚類を用いる地域もあれば、これらの生臭を避ける地域もあります。
家族葬と朝食
告別式の時間は、9時以降になるのが普通です。そのため、告別式の前に朝食をとることになります。
この「朝食」も、葬儀会社にお願いをして取り寄せてもらうことができます。
おにぎりなどに少しおかずがついた簡単なものとなることが多いと思われます。
料金は葬儀会社によって異なりますが、500円~1500円程度が価格の相場だと考えられます。
ただ、現在は「コンビニエンスストア(以下「コンビニ」)」もそこかしこにあります。お酒の持ち込みについては「できれば葬儀会社で」というところもありますが、朝食をコンビニで買うことを見とがめられることはほとんどありません。
朝食を仕出しで頼んだ場合どうしても内容が画一的になってしまいますから、コンビニに買い出しに行ってもよいでしょう。
家族葬と昼食・軽食
ここでいう「昼食・軽食」というのは、火葬場でとることになる食事をいいます。
ケースバイケースではありますが、火葬は45分~2時間程度の時間をかけて行われます。待ち時間、家族や親族は火葬場に併設された待合室で待機するのが一般的です。
この待ち時間の間に、昼食・軽食が振る舞われることもあります。
持ち込む食事はそれぞれの家庭で異なっており、お菓子だけで済ますケースもあればおにぎりなどが出るケースもあります。
なお、お菓子の場合は、「供物」として寄せられたものをいくつかバラして盛り付けるやり方がとられることもあります。ただ、地域や施設によって、「火葬場で振る舞う用の個別のお菓子」が用意されることもあります。
10時~11時くらいから告別式が始まった場合、火葬場で過ごす時間がちょうど昼時にあたります。
ただ、このときにしっかりとした「昼食」をとることはまれです。この後再度会場に戻り、繰り上げ初七日法要を行った後に精進落としの席が設けられることが非常に多いからです。
家族葬と精進落とし
現在は、火葬を行った日に繰り上げ初七日法要までを行うやり方が主流です。これが終わった後に精進落としの席が設けられることになります。精進落としの料理をとり終わり、簡単な挨拶をして解散となります。
精進落としの料理は、精進料理(生臭類を使わない)か普通の食事(生臭類を入れる)の2通りに分かれますが、いずれの場合も1人につき1つの席が用意され、懐石料理のようなかたちで供されるのが一般的です。そのため、今まで紹介してきた食事のなかで、もっとも内容が充実します。
ただ、家族葬の場合はこの「精進落とし」の席が特に設けられないこともあります。コンパクトにまとめた送り方を希望する場合は、精進落としをせずに解散となることがあるのです。
また、懐石料理のようなかたちではなく、仕出し弁当などで対応することもあります。加えて、「故人が好きだったもの」をのせることもあります。
家族葬の場合は自由度が高いので、「故人が好きだったレストランで精進落としをしたい」などの希望も通しやすいといえます。
葬儀会社によって「どこまで対応できるか」「どんな提案をできるか」は異なります。そのため、「このような食事にしたい(あるいは精進落としの席を設けたくない)」などの希望があるのであれば、早めに葬儀会社のスタッフと共有しておくようにしてください。
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